2026年10月24日(土) 08時00分
こんなに人とつながれる時代なのに、なぜか寂しい
朝、目が覚めるとスマートフォンを手に取る。
友人のSNSを見たり、家族からのLINEを確認したり。
仕事ではメールやチャットを使い、離れた人とも簡単にやり取りができます。
誰かとつながりたいと思えば、ほんの数秒でメッセージを送れる時代。
それなのに、こんな経験はありませんか。
友人と楽しく過ごした帰り道、ふと寂しくなる。
SNSでは多くの人とつながっているのに、本当の悩みは誰にも話せない。
職場では笑顔で過ごしていても、家に帰るとどっと疲れが押し寄せる。
周囲に人がいないわけではないのに、心のどこかで孤独を感じてしまう。
「どうして、こんな気持ちになるのだろう?」
実は、孤独という感覚は、心だけでなく身体の健康にも関係しています。
人とのつながりが身近になった今、なぜ私たちは孤独を感じるのでしょうか。
心と身体を健やかに保つためにできることを、一緒に考えませんか。
以前は、離れて暮らす人の近況を知るには、電話や手紙が必要でした。
今では画面を開くだけで、世界中の人とつながれます。
家族の顔を見ながら話せたり、趣味の仲間と出会えたりするのは素敵ですよね。
一方で、返信が気になったり、SNSに映る楽しそうな暮らしと自分を比べたり。
仕事が終わってもメッセージが届けば、つい確認してしまう。
誰かの反応に心を動かされる時間が増えていませんか。
もちろん、SNSが悪いわけではありません。オンラインの交流に救われることもあります。
ただ、つながる手段が増えても、安心できる関係まで増えるとは限りません。
たくさんの人と連絡を取り合うことよりも、
たったひとりに「実はね」と話せることが、心を軽くしてくれる日もあるのです。
休日は誰にも会わず、お気に入りのカフェで本を読んだり、気ままに散歩をしたり。
そんな時間を幸せだと感じる方もいるでしょう。
では、ひとりでいる時間が長い人は、孤独なのでしょうか。
実は、そうとは限りません。
世界保健機関(WHO)は、孤独を望んでいる人とのつながりと実際に感じているつながりとの間に隔たりがあることで生じる、つらい感覚として捉えています。[1]
つまり、ひとりでいることと、孤独を感じることは別なのです。
大勢に囲まれていても孤独を感じることがある一方、
ひとりで過ごしていても心が満たされることがあります。
一緒にいて、ほっとできる。自分の気持ちを無理に隠さなくてもいい。
何も話さない時間さえ心地よい。あなたには、そんな関係がありますか。
孤独は今、世界的な健康課題として注目されています。
2025年にWHOが公表した報告書では、世界のおよそ6人に1人が孤独を経験していると推計されています。[1]
決して、特別な誰かだけの話ではありません。
研究では、孤独や社会的孤立が、うつ病や不安、
心臓病などの健康リスクと関連することも報告されています。[1]
例えば、職場で気になることがあった夜。
布団に入っても「あの言い方でよかったかな」「明日、どんな顔で会おう」と考えて眠れず、翌朝は身体が重い。
そんな経験はありませんか。
人はストレスを感じると、自律神経などの働きを通じて、
身体にもさまざまな反応が現れることがあります。[2]
緊張すると胸がドキドキしたり、お腹が痛くなったりするのも、その一例です。
もちろん、孤独を感じたからといって必ず病気になるわけではなく、
体調不良の原因も人間関係だけとは限りません。
それでも、心と身体は互いに関わり合っています。
食事や運動を大切にするように、人との関係にも目を向けてみる価値があるのではないでしょうか。
うつ病や適応障害など、
心の不調を表す言葉を耳にする機会が増えたと感じる方もいるでしょう。
以前からあった不調への理解が広がり、知られるようになった側面もあります。
心の不調には、仕事や家庭、健康状態、経済的な不安、人間関係など、
さまざまな要因が関わります。
「気持ちが弱いから」と簡単に片づけられるものではありません。
職場では頼られる人、家庭では家族を支える人。
役割を担ううちに、自分の気持ちを後回しにしてしまうこともあるでしょう。
「大丈夫?」と聞かれて、本当は疲れているのに「大丈夫」と答えてしまう。
そんなとき、安心して弱音を吐ける相手が心の支えになるかもしれません。
つらさが続く場合は、専門家に相談することも大切です。
ここまで読んで、「もっと人と会ったほうがいいのかな」と感じた方もいるかもしれません。
でも、会うたびに気を遣って疲れてしまう相手や、嫌われたくなくて本音を話せない関係を、無理に増やすことが健康につながるとは限りません。
反対に、何か月も会っていなくても、久しぶりに話せば自然に笑顔になれる人がいる。
特別な話をしなくても、一緒にいるだけで安心できる人がいる。
大切なのは、たくさんの人に好かれることより、
自分が心地よくいられる関係を大切にすること。
ときには距離を取ることも、自分を守る選択です。
すべての誘いに応えなくてもいい。ひとりの時間が好きなら、
その時間も大切にしていいのです。
人間関係を見直すといっても、大きな決断は必要ありません。
最近会えていない友人に「元気にしてる?」と送ってみる。
一緒に食事をするとき、スマートフォンを置いて話を聞いてみる。
お世話になっている人に「ありがとう」と伝えてみる。
あるいは、無理をしてしまう誘いを丁寧に断る。
疲れた日は、誰かに合わせず自分のための時間をつくる。
人とのつながりを大切にすることと、自分を大切にすること。
その両方があってこそ、心地よい関係は育つのかもしれません。
今は誰にも連絡する気持ちになれないなら、無理をしなくても大丈夫。
まずは自分の心が何を求めているか、耳を傾けてみませんか。
健康を意識するとき、私たちは食事を見直し、運動を始め、睡眠時間を確保しようとします。どれも大切なことです。でも、毎日気を張り詰めていたら。眠る時間があっても、悩みが頭から離れなかったら。
心と身体のバランスを保つのは簡単ではないかもしれません。
Wellness Gateが大切にしている「健康習慣8バランス」には、
食習慣や運動、睡眠だけでなく、「人間関係」も含まれています。
人間関係が睡眠に影響したり、ストレスで食生活が乱れたり。
反対に、誰かと話して気持ちが軽くなることもあります。
健康習慣は、それぞれが別々に存在しているわけではないのです。
「眠れているかな」
「安心して話せる人はいるかな」
自分に問いかけてみませんか。
Wellness Gateの「ウェルネスバランスチェック」は、
今の健康習慣を振り返るきっかけのひとつです。
できていないことを探すためではなく、これからの自分に必要なことを見つけるために。
ぜひ、ご自身のペースで活用してみてください。
▶ ウェルネスバランスチェックはこちら
Wellness Balance Check(ウェルネスバランスチェック)
また、公式サイトでは健康習慣8バランスをさまざまな角度から取り上げています。
ぜひ、ほかのコラムものぞいてみてください。
▶健康コラム一覧はこちら
コラム | 株式会社Wellness Gate
あなたが、安心して自分でいられるのは、どんな時間ですか?
人とのつながりが簡単になった時代だからこそ、人数ややり取りの多さだけでは測れないものを大切にしたいと思うのです。
誰かと過ごす時間も、ひとりで過ごす時間も。
その中で、自分らしくいられること。
無理に笑わなくても、いつも元気でいなくてもいい。
話したいときに話せて、静かに過ごしたいときにはそうできる。
そんな関係や時間が、私たちの毎日を支えてくれるのかもしれません。
そして最後に、ひとつだけ。
あなたが、何も無理をせず、ありのままの自分でいられるのは、どんな時間ですか?
その問いに、ふと答えが浮かんだとき。
そこにはきっと、あなたにとって大切な人や、
心が安らぐ時間があるのではないでしょうか。
人とのつながりを増やすことよりも、まずはその大切なものに気づくこと。
それが心と身体を健やかに保ち、
自分らしく生きていくための小さくても確かな一歩になるのかもしれません。
<参考文献・出典>
[1]世界保健機関(WHO)(2025年)(英文)
From loneliness to social connection: charting a path to healthier societies
[2]厚生労働省「こころの耳」
「ストレスとは」