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身体にいいものを選びたい。 「でも、高くて続けられない。」

2026年10月5日(月) 19時00分

物価高の今だから考えたい、健康とお金のこと

スーパーで食材を手に取って、

「こっちのほうが身体にはよさそう」

と思ったけれど、値段を見て、いつもの商品を選ぶ。

そんな経験はありませんか?

食材だけではありません。

運動を始めようと思えば、ジム代がかかる。身体のメンテナンスにも、
健診や検査にもお金がかかる。

健康が大切なのは分かっている。

でも、毎日の生活にもお金がかかる。

だからつい、

「身体にいいことはしたい。でも、高くて続けられない」

と思ってしまう。

では、健康とは本当に、お金に余裕がある人だけが手に入れられるものなのでしょうか。

今回は、健康習慣8バランスの中から「経済」について考えてみたいと思います。

前回のコラム、覚えていますか?

前回の「運動」のコラムでは、65歳から運動を始め、
87歳でフィットネスインストラクターになった瀧島未香さんをご紹介しました。

そこで最後に、こんな問いを投げかけました。

「あなたは、80歳のとき、どんな自分でいたいですか?」

旅行をしていたい。

好きな仕事を続けていたい。

新しいことに挑戦していたい。

大切な人と、元気に出かけていたい。

その未来のために、今日から身体を動かす。

前回は、そんな「運動」の視点から未来について考えました。

▶ 前回のコラムを読む
「『もう歳だから』が、あなたの未来を狭めていませんか?」

では今回は、もうひとつ違う角度から考えてみたいと思います。

その未来の自分のために、あなたは今日のお金をどう使っていますか?

10年後、20年後のためにお金を貯めることはあっても、そのお金を使う「未来の自分の身体」のためにお金を使うことは、意外と後回しになっているかもしれません。

ここから、「健康」と「経済」の話を始めてみましょう。

健康に使う「1万円」は、高い?

たとえば、毎月1万円を身体のために使うとします。

食材を少し変える。運動を始める。身体のメンテナンスをする。
必要な健診や検査を受ける。

月1万円なら、年間12万円。

こうして数字にすると、

「健康が大切なのは分かるけれど、年間12万円は高いな……」

と感じる方もいるのではないでしょうか。

でも、ここで少し視点を変えてみます。

私たちは、本当に「健康」にお金を使っていないのでしょうか。

毎月の給与明細を見たとき、

「健康保険料、高いな……」

と思ったことがある方もいるかもしれません。

協会けんぽの2026年度の平均健康保険料率は9.90%(2026年10月5日時点)。実際の料率は都道府県支部によって異なりますが、私たちは病院へ行かない月にも、医療を支えるための保険料を負担しています。

つまり私たちは、病気になったときだけ医療にお金を払っているわけではないのです。

日本では、医療にいくら使っている?

厚生労働省によると、2023年度の国民医療費は48兆915億円。

人口1人あたりでは、年間38万6,700円です。

もちろん、1人ひとりが38万6,700円を直接支払っているわけではありません。

財源を見ると、保険料が50.2%、公費が37.5%などとなっており、
社会全体で医療を支えています。

48兆円。

あまりに大きな数字で、なかなか実感が湧かないかもしれません。

でも、その中には私たちが支払う保険料や税金などを財源とするお金、そして患者自身が負担するお金があります。

私たちはすでに、社会全体で「病気になったとき」を支えるために、大きなお金を使っているのです。

では、自分自身が実際に健康を崩したら、どれくらいのお金が必要になるのでしょうか。

健康を崩したら、実際いくらかかる?

生命保険文化センターの2025年度「生活保障に関する調査」によると、過去5年間に入院し、自己負担費用を支払った人の直近の入院では、1日あたりの自己負担費用は平均24,300円。

1回の入院にかかった自己負担費用の総額は、平均18.7万円でした。

この金額には、治療費だけではなく、食事代や差額ベッド代、交通費、衣類、日用品費なども含まれています。また、高額療養費制度を利用した場合は、利用後の金額で集計されています。

さらに、健康を崩したときに影響を受けるのは医療費だけではありません。

仕事を休めば、収入に影響するかもしれない。

通院するための時間が必要になる。

家族に支えてもらうこともある。

楽しみにしていた旅行。

やりたかった仕事。

大切な人と過ごしたかった時間。

健康を崩したときの「コスト」には、請求書には載らないものもあります。

だからといって、

「毎月1万円を健康に使えば、18.7万円の入院費を防げる」

という話ではありません。

健康に気をつけていても病気になることはありますし、高価な食材やサプリメントを買えば病気にならないわけでもありません。

病気には、自分では防ぐことのできないさまざまな要因があります。

それでも、ひとつ考えてみたいのです。

病気になった「後」の身体に使うお金については考えるのに、病気になる「前」の身体に使うお金には、なぜ「高い」と感じるのでしょうか。

分かっていても、未来より「今日」を選んでしまう

とはいえ、ここまで読んで、

「それは分かっている。でも、今そんな余裕がない」

と思った方もいるかもしれません。

健康が大切なことも、身体は今の積み重ねでつくられていくことも分かっている。

それでも、お金に余裕がないときには、どうしても目の前のことを優先してしまいます。

今月の生活費。

必要な支払い。

家族のためのお金。

仕事や暮らしに必要なもの。

10年後の身体より、まずは今日、明日の生活。

毎日の暮らしにかかるお金が増えている今なら、なおさらではないでしょうか。

だから、

「健康のために、もっとお金を使いましょう」

と簡単に言いたいわけではありません。

使えるお金も、置かれている状況も、人によって違います。

生活を苦しくしてまで高価な食材を買ったり、ジムや身体のメンテナンスにお金をかけたりすることが、その人にとって本当に「健康的」とは限りません。

ただ一方で、

「余裕ができたら健康を考えよう」と、ずっと未来へ送り続けてしまったらどうでしょう。

だからこそ、健康を「お金をかけられるか、かけられないか」だけで考えないことも大切なのだと思います。

健康への投資=高いものを買うことではない

月1万円が難しければ、1万円でなくてもいい。

今は健康のためにお金を使う余裕がないなら、お金をかけずにできることからでもいい。

少しでも歩く。
自炊できる日は、自分でつくる。
疲れている日は、きちんと休む。

健康のためにできることには、お金を使うものもあれば、ほとんど使わずにできるものもあります。

そして、もうひとつ。
「健康について知ること」も、未来の自分への投資のひとつかもしれません。

何となく身体に良さそうだから選ぶのではなく、食事や運動、睡眠について知り、自分の毎日の中で何を選ぶのかを考えられるようになる。

一度知ったことは、その日だけではなく、その先の毎日の選択にもつながっていきます。

現在弊社では食事・運動・睡眠をテーマに、毎日のルーティンを紐解いたショートセミナー「成功者のOSを動かす 最強ルーティン完全解剖」のライブ完全収録版も公開しています。

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日本も「病気になる前」を考え始めている

こうした「病気になる前」という考え方は、今、日本でも改めて重視されています。

2026年7月、厚生労働省は「U.E.N.O.Plan~攻めの予防医療厚生労働省関係施策~」を公表しました。

そこでは、一人ひとりが自分の健康を「自分ごと」として捉え、主体的に健康づくりに取り組めるようにすることが掲げられています。

予防医療とは、単に「病気にならないようにすること」だけではありません。

病気にならないための健康づくりを行う一次予防、健診・検診などによる早期発見・早期治療を行う二次予防、病気やけがをした後の重症化予防やリハビリテーションを行う三次予防までを含む、幅広い取り組みです。

つまり、

「病気になったら、どうする?」

だけではなく、

「病気になる前の今、何ができる?」

という視点です。

10年後のために、お金を貯めるなら

私たちは未来のために、お金を貯めます。

老後のために貯金をしたり、資産形成をしたり。

10年後、20年後の自分がお金に困らないように、今から準備します。

それは、とても大切なことです。

では——

そのお金を使う、10年後、20年後の「自分の身体」はどうでしょうか。

旅行へ行きたい。

好きな仕事を続けたい。

新しいことにも挑戦したい。

未来のためにお金を残すことは大切です。

でも、その未来を楽しむためには、その場所へ行ける身体も必要です。

健康そのものが人生のゴールなのではありません。

健康は、自分がやりたいことを、できるだけ長く続けていくための土台なのだと思います。

8つは、全部つながっている

前回のコラムで考えた、
「80歳のとき、どんな自分でいたい?」という問い。

その未来は、運動だけでつくられるものではありません。

▶ 前回のコラムを読む
「『もう歳だから』が、あなたの未来を狭めていませんか?」

何を食べるか。どう眠るか。どう身体を整えるか。

そして、何にお金を使うか。

Wellness Gateが大切にしている「健康習慣8バランス」は、それぞれが独立したものではなく、私たちの毎日の中でつながっています。

だから「経済」も、単にお金を貯めることや節約することだけではありません。

健康のためなら、いくらでもお金を使う。

それでは、今の暮らしが苦しくなってしまいます。

反対に、
「お金がもったいないから」と、身体のことをすべて後回しにする。

それも、未来の自分が望む選択とは違うかもしれません。

大切なのは、

今の暮らしを苦しくしない。

でも、未来の身体も置き去りにしない。

その間で、自分にとってのバランスを見つけていくこと。

「身体にいいものを選びたい。でも、高くて続けられない。」

そう感じたら、高いものを無理に買う必要はありません。

全部を変える必要もありません。

でも、

「高いからできない」で終わらせない。

お金をかけなくてもできることは何だろう?

反対に、少し余裕ができたとき、

「ここには未来の自分のためにお金を使おう」

と思えるものは何だろう?

健康への投資とは、たくさんのお金を使うことではなく、今あるお金と時間の中で、未来の自分にもできることを残してあげることなのかもしれません。

前回は、

「あなたは80歳のとき、どんな自分でいたいですか?」

と問いかけました。

今回は、その続きです。

10年後、20年後のためにお金を貯めるなら。

そのお金を使う未来の自分が、好きな場所へ行き、好きなことをして、大切な人と笑っていられるように。

その未来のために、今日のあなたにできることは何ですか?


<参考文献・参考資料>

全国健康保険協会「令和8年度保険料率のお知らせ」
2026年度の協会けんぽ平均健康保険料率9.90%などを参照。
全国健康保険協会「令和8年度保険料率のお知らせ」

厚生労働省「令和5年度 国民医療費」
国民医療費48兆915億円、人口1人あたり38万6,700円、財源構成などを参照。
厚生労働省「令和5年度 国民医療費」

公益財団法人 生命保険文化センター「入院費用(自己負担額)はどれくらい?」
2025年度「生活保障に関する調査」の、入院1日あたり平均24,300円、自己負担費用総額平均18.7万円などを参照。
生命保険文化センター「入院費用(自己負担額)はどれくらい?」

厚生労働省「攻めの予防医療について」
一次予防・二次予防・三次予防の考え方などを参照。
厚生労働省「攻めの予防医療について」

厚生労働省「U.E.N.O.Plan~攻めの予防医療厚生労働省関係施策~」
2026年7月23日公表。
厚生労働省「U.E.N.O.Plan」

※入院時の自己負担費用は調査対象者の平均であり、実際の費用は病気や治療内容、入院期間、利用する制度などによって異なります。また、健康的な生活習慣によって、すべての病気を予防できるわけではありません。

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